nomi6la

2009/06123456789101112131415161718192021222324252627282930312009/08
 このライブに寄せてもらったのは、それはもうひょんな通りすがりから始まった。というのもこの日は昼過ぎから細かい細かい、実にみみちい商いの(笑)、打ち合わせのためにミナミに出掛けており、ああでもないこうでもない、ああしましょう、こうしましょう…と結局は半分以上うだ話に終始してしまったのだが、そのなかの一部からでも行く先の光明が見つかればなぁとひたすら喋り合った気がする。ま、そんな将来の光明もどうあれ、まずは目先のスケジュールとしては、その打ち合わせを終えて、実はナンバから南海電車、もしくはJRで天王寺まで出て近鉄電車。いずれの方法で河内長野まで足を伸ばして、河内家菊水丸社中の櫓見学をと算段。当地の櫓は南河内方面ではメッカと呼ばれるほど、毎年盛大な櫓だそうで、おまけに1時間たっぷり数席は伺えるというから、兼ねがね見たいなと踏んでいた。そんなこともあって、とにかく打ち合わせを行った喫茶店を飛び出し、さぁ勇んでと行きたいところ、あの気温、熱気に湿気である。

 うだるような空気に身を委ねつつ、道中でもらった団扇をフワフワ、パタパタ仰ぐも熱気には熱風である。もう仰ぐのがイヤにもなる。とにかく難波駅へ向おうと、千日前から南海通り、高島屋方面へトロトロ進んでいたところ、ちょうど二見のぶたまん屋も手前を通りかかったところで、右へ曲がればビックカメラの、その途中にある旧精華小学校の辺りから何やら賑やかな雰囲気が。ちょいと塀越しにでもと覗きに行くと、校庭には何軒も建つテントが、露店のようになっていて、ちょっとしたステージのようなものが組まれていたそこではイベントのようなものが行われていて、ああ、「お祭り」ね。そこそこに賑わっており、「暑いなかで大変やなぁ」と再び、難波駅を目指すと、精華小学校の校門(というより、現在の『精華小劇場』の出入り口)より、見覚えのあるご婦人の姿ありけり。

 思わず「何ですの、こんなところで」

と声かけさせていただくと、

 「いや〜ん、今日は観に来たン?。中でみんな待ってるよ」

 ご婦人とは、「大西ユカリと新世界」の追っかけでいらっしゃる「芋平のサイ」さん。みんなとは、同じく「〜新世界」ファンでいらっしゃるご常連さんご一同様。何やら意味が分からないので、もう一度、「何ですのん?」…で、話を聞けば、この小劇場で、大西ユカリと新世界に、なんとロック界の超御大・内田裕也氏までご出演されるという物凄い顔合わせのライブが開催されるという。この顔合わせで入場料を尋ねると、何と無料だというから、思わず座りションベンしてバカになりつつシェキナベイビナ!、ジュ、ジュリ〜…と内田夫人である樹木希林さんのように身悶えそうになったり、とにかく、「めっけた!」

 サイ夫人もご常連さんもさすがの情報網。帰宅後、大西ユカリさんの公式HPを調べてみたらちゃんとスケジュールの頁に情報が載っていた。いやいや、毎度毎度、ちゃんとブログも掲示板も拝見してるのになぁとよくよく考えてみたら、この「ブログ」と「掲示板」のみパソコンの「お気に入り」として登録してある。つまり、トップページから登録していれば、そこから「ブログ」や「掲示板」はもちろん、「スケジュール」も簡単に見ることが出来るのだが、いかんせん、このトップページが、拙パソコンからすれば、どうにもこうにも「重たい」のである。なかなか肝心のページに飛んでくれないという至極個人的なイライラもあって、それで「ブログ」と「掲示板」、直接登録というズボラなのだ。このように、本当に当日にまさかこんな夢のライブが…知らなかったのである。偶然に通りかかったミナミの真ん中で、偶然にお見かけしたサイ夫人のおかげで、当夜のライブ、である。河内長野が…一瞬、躊躇したが、目先のお宝、見過ごす手はない。何というても、シェキナベイビナの御大、生のお姿である。少し体調を崩されたというニュースは先日のこと。もちろんお元気に回復された御大ではあるが生のお姿をお見受けする機会は関西ではもう皆無に近いのではないか。御大のご健康面云々よりも音楽に疎い私めの、経済的な面も含めためぐり合わせの問題を含めた、「今観ておかねば!」

 サイ夫人にお目にかかって開演までの約1時間を涼しい場所でつなぎながら、午後6時30分の開場、開演。偶然にして念願のライブを見せてもらうことが出来た。

 前半の第1部は、「portable」(ポータブル)、「nao−shin」「ハイマーズ」と続く。最近また流行りのテクノポップス女の子3人組から、アコースティックデュオがあって、「ハイマーズ」はカントリーからロカビリーへと繋がって最後はGS、グループサウンズへとまるで戦後ポップス変遷史の趣。GSのパートでボーカルを務めた(各種ごとにボーカルが交替する)「トミー」さんによれば、GS末期まで当地に君臨した伝説のライブハウス「ナンバ一番」のステージを踏まれ、当夜のメニューはその再現でもあったというから、ああ、それで当夜のライブが「エビス一番」かと納得。また、当夜は、同じステージを踏んでいたという「トミー」さんのバンド仲間が昨年に60歳と若くして亡くなられ、その追悼ライブでもあったのだと。何せ生まれる前のライブハウス、勉強不足もあって、偲ばれた方がどのような方だったのか知る由なしではあるが、一生を捧げた音楽で、その仲間によって餞とされたことは不遜ながらも、羨ましい限りである。

 前半が終了し、えびすばし音楽祭、主催の戎橋筋商店街の何やかやの祝典ごとを挟んでいよいよ第2部は、待ってました「大西ユカリと新世界」。祝典ごとの最中には夢ミノル師匠が一足早めにステージへ。何やかやと、ドラムのセッティング(?)を施されているうちに、ベースの森扇背はじめ、メンバー皆さん続々登場で、会場の熱気も充満。爆発する演奏で、歌姫降臨と相成るのである。

 生を見せてもらうのは、今年の5月以来のご無沙汰ではあるが、改めて、ユカリさん。やっぱり歌、素晴らしいです。特にオリジナルを怒涛の粘膜アレンジでカバーした「サチコ」の歌声、その情念というか執念というか怨念の熱唱は鳥肌もの。あんなに「サチコ」が似合うのはそれこそニック・ニューサー氏とユカリさん。あと人生幸朗師匠ぐらいではないだろうか(相方で奥様が、生恵幸子氏)。
 また、個人的には生で聴くのが懐かしい、「新ミッチー音頭」も。ふんだんに「遊び」を散りばめながら客席との掛け合い、絶好調の最中、ユカリさん、思わずステージの袖のスタッフに向って「私らの持ち時間、あとどのくらいですか?…いやいや、マジであと何分?」とマジ相談。5分…いや、6分であると分かると、さぁ、このまま曲を続けて予定していた最後の曲をカット、MCで繋ごうかという判断も束の間、「新世界」の、おそらく森扇背の判断で演奏急遽停止。すかさず、「最後の曲はやっぱりこれで」と、お馴染み「恋のスマートボール」、大団円へ。

 今回は手拍子を送ることもなく、ましてや立ち上がって踊るてなことは持っての外で、それはもう腕組みしながらステージを、まるでメンチ切るがごとく、じっくり見入りながら聴き入った次第であるが、それでも視界には色んな風景が入って来て、なかでも一番面白かったのは、斜め前に並んで座るオッチャン同士が、ステージのユカリさんに倣うように一生懸命、踊っていた姿(笑)。いつまでもナウでヤングなオッチャンたちが、しかも並んでいるというのが熱気のなかに何ともシュールであった。また、客席を睨むようにステージ下両脇に居並ぶ警備員さん。特に下手の警備員さんが、両手を腰元で組みながら険しい顔付きで客席を凝視しつつ警備に当たりながらも、「〜スマートボール」では、踊る客席につられたのか、首元というか、腰の辺りで、職務との攻めぎあいに苛まれながら険しい顔で、つられて小刻みにリズムにとっていた(風にも見えた)のが、可笑しかった(笑)。

 都合40分のミニステージ。それでも無料ライブとしては大変な贅沢ぶりにおなかいっぱいとなりながら、後に控えるのは、何というても御大である。ついにこの瞬間が訪れた。いかなる出で立ちでお出ましか、その時を固唾を飲んで見守ると、場内に流れたのは、何故か郷ひろみのデビュー曲「男の子女の子」。ふ〜ん、昭和アイドル歌謡か何かのDJショーでステージ転換を繋ぐのかなぁと何の気になしに目をやると、何とその「男の子女の子」に乗せて、御大ご降臨!。金色のロングヘアに黒皮のロングコート。その内から覗く赤色のタートルシャツ。そして手にはステッキ。金、黒、赤と、それぞれがそれぞれ一本筋の通った色合い、コーディネート。それはそれは誠、神々しいお姿の、「男の子女の子」(笑)。曲に合わせて軽快にて多彩なステップ、刻みまくり。もっと重鎮然とした仰々しい、さらにいえば、一色即発のいつ流れ弾が飛んでくるやもしれぬ狂気は相変わらずであるが、これぞロックなという登場を想像していただけに、まさかまさかの意表であった。その軽やかな身のこなしは往年…と、往年というて「何を知ってるねん」と言われればそれまでであるが、御大のダンスは何かのVTR…確か、「第3回新春かくし芸大会」(フジテレビ/1966年1月3日放送)であったと思うが尾藤イサオ氏と怒涛のモンキーダンス合戦を繰り広げていたのを見た事がある(同合戦はこのあと、藤田まことクレージーキャッツ白木みのる世志凡太、それに青島幸男などなど、多彩な対決へと連なり、司会の高橋圭三ジャッジも下、まさに大合戦へと様相を呈する)。そんな当時と違わぬ洒脱にして、シャープで切れ味抜群のダンス、「男の子女の子」。…一瞬にして御大ペースに飲み込まれてしまい、座席を離れて会場最後尾の壁際で立ち見の…気が付けば一緒に踊ってしまってもいた(笑)。

 …が、御大、ところがである。意表をつかれたのはまさかの「出囃子」であるが、それよりもっと「?マーク」が脳裏をかすめたのは、当夜、御大は何とバンドを従えていなかったことである。MCもそこそこに早速の1曲目…は、何とカラオケなのであった。

 「ウソ?まさか?、エエ、マジで?」

 何度も何度も目を疑った。さらに言えば、カラオケに乗せて気を良く歌い上げるその姿をして、まさか「口パク?」とまで疑念を抱いてもしまっていた…が、三曲目であったか、「きめてやる今夜」である。…これには参った、シビレタ。口パクであろうが、何であろうが、まさに「ジュリ〜!」を歌う内田裕也、姿が目前にある。そうか、「男の子女の子」…郷ひろみと樹木希林で「林檎殺人事件」か。何気に何気だなと、ナマ御大にライブ処女、身を委ねていたら、

 「これら(カラオケ)にはちょっとした『一人芝居』の要素を取り入れてみました」
 と仰る。口パクに乗せた「お芝居」なのだと。最近のステージはどうやらそういう意図を持った演出を施されているのだと。もうそんなことはでも良い。もっとどうでも良くなったのが、このあといきなり、新御三家より西城秀樹「Y・M・C・A ヤングマン」へとなだれ込んで、エエ〜?。御大またまた踊りまくり、オォ〜!?。ついでに「バカじゃありませんよ(笑)」と断りながら、両手を真上にY・M・C・Aって、どぅ〜?…もう理解不能である(笑)。でも一緒に踊っていた…らステージには夢ミノルさん、森扇背、それにギターの三好ひろあきさん、キーボードのマンボ松本さんが再びお出ましで、ここで本格的、豪華なバックバンド体制に。驚愕の光景に思わず電流が走ったかとおもえば、ええいままよと、さらに管楽器部のボス河内さん、小松竜吉さんにあと一人、これが怒涛のサックス、リーゼント姿がやけにまぶしいなと凝視すれば、あ、STEVE WADA師匠〜!

 拙ブログにもたびたび、勝手に委託の解説委員として貴重なコメントを頂戴している、歩く音楽史、がなる半田健人、若き安田伸…て何や例えが分かりませんが(笑)、とにかくWADA師匠には、長らくと心安くしていただきながら、実を言えば初めて拝見した、演奏姿…とは我ながら何とも不躾な話である(笑)。とにかく3管揃い踏み、音色がやけに分厚い。さらにステージには大西ユカリさんも加わる、何が何やら最強セッション、濃厚コラボレーション。おそらく初競演(?)のはずも、あまりにも内田裕也御大とのお似合いぶりは思わずそのお姿、まるで樹木希林さんにも見えてしまったほど(顔の造詣が何となく似ていると思う)。
 とにかく1部を含めた全約3時間であった。そうでない方はそれなりに…なあっという間のシェキナベイビナ!であった。心地の良いヘトヘト感に包まれての家路であったがそれにしてもまったくの偶然が呼んでくれた夢の一夜である。

 うん、まだまだ運があるな、ツイてるな。けれどもこの幸運がこの後、とんでもない不運を呼び込みそうな、それはそれでその恐怖であるが、恐怖の向うにはきっとまた良いことが待っているはず。

 とにかく運というのは、こちらから出向かないと振り向いてはくれないとはよく言われ続けては来たが、改めてそうだと認識させられた一夜であった。
コメント
この記事へのコメント
師匠、大変ご無沙汰してます。裕也さんユカリさんの2大スターの隙間で登場さして頂きました・・・ステージも楽屋も濃い!またご指導よろしく!
2008/07/28(月) 10:15 | URL | steve wada #-[ 編集]
steve wada師匠
 いやいや、何とカッコよかった、当夜のWADA師匠でした。あんなに腰も反り返りますか!…素晴らしい!名人芸!
 楽屋でも打ち上げでもそれはそれは濃厚メンバーと濃厚トーク、ハイテンション…続いたことでしょうな。
 またの機会を見つけて拝見しに寄せていただきまっせ〜!
2008/07/28(月) 13:05 | URL | のみっさん #tSD0xzK.[ 編集]
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