日日の自惚れ

10月13日をもって更新・公開終了。
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dendou ついに、西の「横山やすし・西川きよし」、東の「ザ・ドリフターズ」、殿堂入り。この手の番組では必ず首位の両横綱で、「いよいよ1位の発表です!」と司会者が煽っても、このごろは、「どうせまた、やすきよやろ、ドリフやろ〜」…どうせ(笑)。けど、それぐらいにお笑いファンの心を今もなお掴んで離さない、東西の双璧。殿堂入りも頷けます。

 さて、本来の常連首位が殿堂入りを果たした今年、新しい「首位」の期待を募らせながら(半分、分かってましたが 笑)、さきほどビデオで。予想通り、東の首位は「コント55号」、西の首位は「島田紳助・松本竜介」
 特に55号は、同日夜にスタートの24時間テレビ、チャリティマラソンに欽ちゃん出番。首位でないと、放送する局としてはシャレにならない?(笑)。
 また、首位のゲストとして、そのマラソンスタート会場にスターターとして駆け付けた坂上二郎さんと生中継で。
 やたらニコニコ笑いながら、やたら『飛びます!飛びます!』を連発、ほぼ恍惚の二郎さん(笑)…マジかシャレかいよいよキワキワで、
「はたして、萩本さんは、最後まで完走するでしょうかねぇ?」
というスタジオからの問いかけに、

「多分、無理だろうね」、バッサリ(笑)

 さすが、長年の相方(笑)。さすが、首位だけのことはある、コンビ結成42年目のコント55号…。

 それにしても、今回はランキングが首尾良く東西、形が整っておりました。どういうことかと言うと、各順位、一応、ネット投票の形をとっての結果だそうですが、東が9位にこの人なら、西はこの人を…という具合に、何となく構成に当て込んで無理に決めたランキングのような…。

 10位、東が「カンニング」で西が「トゥナイト」。どちらも若くして解散もしくはコンビ活動不能となった者同士。また9位は東西、「春日三球・照代」「人生幸朗・生恵幸子」、こちらは夫婦漫才同士。という具合に、順位ごとに「似たテーマ」同士のコンビを寄せておくと、そのブロックは、「若いのに解散、勿体無い」とか「夫婦漫才は他人コンビとは違って…」などと、出演者のトークも組みやすいので、こうなったのでしょう。
 6位は東が「古今亭志ん朝」、西が「桂枝雀」…落語家同士。また、2位「ハナ肇とクレージーキャッツ」「漫画トリオ」は、植木等さんに横山ノック師、共に「惜しくも今年亡くなった方々」。それぞれのランキング然り。
 で、たまに5位の「獅子てんや・瀬戸わんや」「海原千里・万里」のような、テーマが絞れない同士を紛れ込ませて構成のバリエーションを図ったのでしょう(そこまで裏でモノ、見んでも 笑)。

 なので今回のランキング、ねつ造だぁ〜!…おそらく(笑)。

 まぁ別にバラエティ番組なので、とやかくそこまで問い詰めることは無粋といえば、無粋なのですが、若干の気持ち悪さ、無いといえばウソにもなるし。

 それにしても良かったなぁと思ったのは、東西各ベスト10プラス殿堂入りを含めた、お笑い芸人22傑の顔ぶれが、とてもバラエティに富んでいたこと。それと、例年に比べ放送時間の余裕もあって、本芸のVTRもたっぷり見られたこと。加えて個人的に特筆物は、若手を中心としたスタジオの生演芸に「おしどり」が見られたこと(笑)。

 また、スタジオゲストの千原ジュニアさんが良かった。東の7位に「内海桂子・好江」がランキングされ、VTRを見た後の感想で、
 「こういう、着物姿に三味線、その三味線を背中に回した格好は逆に今、カッコイイですね」
 別に芸そのものに対してではない、何とはなしの感想です。笑いへ対する思い入れのあまり、芸そのものを語りそうなところを、桂子・好江師のビジュアルを見ただけの、素直な感想だったこと。潔さ、好感が持てました。若い芸人さんが、ベテランのいぶし銀のスタイルに賞賛する姿は何となく嬉しいものです。と同時に、「へぇ、これがアノ、千原ジュニアのコメントかいな?」…。

 過去の芸を否定するところから新しい物を見出そうとする特に若手芸人が多いなかで、最もそういうイメージのあった千原ジュニアさんから、そういう感想が聞けたのは、笑いのジャンルは違えど、歴史という、芯の意味で過去から一本に繋がって今、先端を走っている。ジュニアさんの温故知新、懐の深さが伺えました。

 それとやはり、以前からも他の番組でもちょくちょく当人が語っていた、

「僕、枝雀師匠の落語は全部、i−podに入れてましてね…」

 同じ芸人として過去の音源を、研究という意味ではなく純粋なファンとして楽しんでる様子が素晴らしい。

 そのi−podも落語以外に色んな音楽も入っていて、

「シャッフル(機能)にしてたら、『ブルーハーツ』の次に急に枝雀師匠がかかって、『どんな出囃子やねん!』と思いますよ」(笑)

 アハハ、ドブネズミ(リンダリンダ)の次が「かぜうどん」?。そんなうどん、食べたなくないけど、i−podなら甲本ヒロトに桂枝雀…こんな最強なラインアップはありません。ましてや千原ジュニアの私物…最高の取り合わせです(笑)。

 それと、スタジオゲスト、もう一方は月亭八方師。ランキングの志ん朝師、枝雀師をして、
(他のゲストはVTRを)もっと見たいというけど、私ら同業者は、特にこのお二方、一番見たくない人。それは二人とも『神様』だからです」

 名人芸で西も東も関係なく、日本中を揺るがせた先人両横綱への同業者、後輩としては最大の賛辞といえるでしょう。また、

「志ん朝師匠はね、私らも大阪での独演会に前座として出させてもらったことがありますけど、やっぱり神様なんです。でも、会のあとの打ち上げの席で、
段々、段々、『人間』になるんですよ。『人間』のまま
(宿泊先の)ホテルに帰って行かはって、明くる日の高座ではまた、『神様』なんですよ」

 志ん朝師の芸と人柄を、八方師らしく端的に言い表した、これはこれで貴重なコメント。いいなぁ、志ん朝師も八方師も…。

 千原ジュニアさんのあえて肩肘張らない、コメンテーターとしての素直なスタンス。また八方師のような、長年の現場で見た聞いた触れた経験が生かされたコメント。こういう演芸番組、特に過去から現在のお笑いを眺める種の番組は、このコメンテーター選びが最も重要です。そのなかで、八方師、ジュニアさん、共通して言えるのは、いずれも「笑いを愛している」ということ。

 やや演出(ねつ造? 笑)されたかに見える、今回のランキング(構成)が、特にこのお二人によって、救われた気がしました。

 追記…コントと落語、そして世代の異なるお二人の、芸論対談のような企画を見てみたい気がしました。
(追記)「八方・ジュニア」による番組が芸談ものではなく、東野幸治さんを加えたフリートークものの特番(毎日放送)が後に。また、ジュニアさんによる「コント×落語」の異業種対談は桂吉弥師を相手に「千原ジュニア×桂吉弥 桂米朝・笑いの世界」(読売テレビ/2010年3月21日放送)という形で実現した。個人的にはほれ見たことかと言いたいばかり(笑)。両番組ともまさしく、制作されるべくして、である(2010年3月21日・筆)。
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